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ジョージ・ハリスン生誕80周年記念 劇場特別版公開

ジョージ・ハリスンの音楽と人生を称え、盟友エリック・クラプトンが開催した歴史的一夜。
感動と慈愛あふれる伝説のトリビュート・コンサート映画が
ジョージ生誕80周年の今年、初めて劇場の大スクリーンに蘇る!

『コンサート・フォー・ジョージ』セットリスト

  1.   オープニング 「サーブ・シャーム」 

  2. 「アイ・ウォント・トゥ・テル・ユー」by ジェフ・リン

  3. 「恋をするなら」by エリック・クラプトン

  4. 「タックスマン」by トム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズ

  5. 「ハンドル・ウィズ・ケア」by トム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズ w/ジェフ・リン&ダニー・ハリスン

  6. 「想い出のフォトグラフ」by リンゴ・スター

  7. 「ハニー・ドンド」by  リンゴ・スター

  8. 「シット・オン・マイ・フェイス〜ランバージャック・ソング」by モンティ・パイソン with トム・ハンクス

  9. 「ヒア・カムズ・ザ・サン」by ジョー・ブラウン

  10. 「ホース・トゥ・ザ・ウォーター」by ジュールス・ホランド&サム・ブラウン

  11. 「ビウェア・オブ・ダークネス」by  エリック・クラプトン

  12. 「イズント・イット・ア・ピティ」by  エリック・クラプトン&ビリー・プレストン

  13. 「フォー・ユー・ブルー」by  ポール・マッカートニー

  14. 「サムシング」by  ポール・マッカートニー&エリック・クラプトン

  15. 「アルバン」 指揮:アヌーシュカ・シャンカール

  16. 「ジ・インナー・ライト」by ジェフ・リン&アヌーシュカ・シャンカール

  17. 「マイ・スウィート・ロード」by ビリー・プレストン

  18. 「オール・シングス・マスト・パス」by ポール・マッカートニー

  19. 「ホワイル・マイ・ギター・ジェントリー・ウィープス」 by  ポール・マッカートニー&エリック・クラプトン

  20. 「夢で逢いましょう」by ジョー・ブラウン

曲解説/ 藤本国彦 ビートルズ研究家

「ホワイル・マイ・ギター・ジェントリー・ウィープス」 ポール・マッカートニー&エリック・クラプトン

 

 ポールの登場後、コンサート終盤のハイライトの1曲として演奏された、ビートルズ時代のジョージの代表曲。もともとは68年に発売された2枚組のアルバム『ザ・ビートルズ』(通称;ホワイト・アルバム)制作時に、ジョージがまず68年7月にアコースティック・ギターの弾き語りでレコーディングし、続いて8月に4人で演奏し直し、さらに9月にジョージの誘いからクラプトンが参加した最終ヴァージョンがレコーディングされる、という経緯をたどっている。

 ステージでは、ビートルズのそのセッションと同じく、ポールがピアノとハーモニー・ヴォーカルを加え、リンゴがドラムを叩き、そしてクラプトンがリード・ヴォーカルとリード・ギターという、感涙の演奏を観ることができる。オリジナルに忠実に弾こうとしているクラプトンに泣ける。

 

 

「オール・シングス・マスト・パス」 ポール・マッカートニー

 

 69年1月の「ゲット・バック・セッション」用にジョージが書いた新曲だったが、ビートルズとしては取り上げられず、解散後の最初のソロ・アルバム『オール・シングス・マスト・パス』(70年)のタイトル曲になった。 

 「ゲット・バック・セッション」ではポールがハーモニー・ヴォーカルを受け持つ演奏もあったが、このコンサートでは、やはり大きな聴きどころとなった「サムシング」に続いてポールが、ジョージの思いを伝えるかのように歌心たっぷりに披露。クラウス・フォアマンがベースを弾いている場面が映るのも見逃せない。エンディング前に一度ブレイクする場面でポールがダニーにギターを向けてちょっとした合図を送るも、弾くのに一生懸命で無反応なダニーの様子が、父親譲りの健気な表情に重なって、何とも微笑ましい。

 

 

「ハンドル・ウィズ・ケア」 トム・ペティ&ハートブレイカーズ w/ジェフ・リン&ダニー・ハリスン

 

 “覆面バンド”としては過去最大・最強と言えるトラヴェリング・ウィルベリーズ(メンバーはジョージ、ロイ・オービソン、ボブ・ディラン、ジェフ・リン、トム・ぺティ)のヒット曲。もともとはジョージの『クラウド・ナイン』(87年)の好セールスを受け、同アルバムからのヨーロッパでのサード・シングル「ディス・イズ・ラヴ」のB面収録曲としてジェフと用意した新曲だった。

 ウィルベリーズのライヴは一度も行われなかったので、この曲がこうして演奏されたのが何よりうれしい。トム・ぺティ&ザ・ハートブレイカーズにジェフ・リン、ダニー、ジム・ケルトナーなどが加わり、ロイ・オービソンのパートはジェフが歌っている。マイク・キャンベルのスライド・ギターとスコット・サーストンのハーモニカの熱演も素晴らしい。

 

 

想い出のフォトグラフ」 リンゴ・スター

 

 リンゴのソロ時代の代表作『リンゴ』(73年)からの最初のシングルとして発売され、アメリカ1位、イギリス8位を記録したリンゴの代表曲。ビートルズ時代の自作曲「オクトパス・ガーデン」は、実質ジョージとリンゴの共作曲と言えるものだったが、71年春にジョージと2人で船旅に出た時に一緒に書いたというこの曲は、しっかり2人の名前がクレジットされている。

 クラプトン、ジェフ・リン、ダニー、ビリー・プレストンらをバックに、中央で歌う楽しそうに歌うリンゴ。ジム・ホーンのサックス・ソロがさらに見せ場を作っている。

 

「マイ・スウィート・ロード」 ビリー・プレストン

 

 ビートルズ解散後のジョージの最初のソロ・アルバム『オール・シングス・マスト・パス』(70年)からシングル・カットされ、英米1位を記録する大ヒットとなったジョージの70年代の代表曲。シングルに推したのは、アルバムの共同プロデューサーのフィル・スペクターだった。

 この曲は、ジョージよりもビリー・プレストンのヴァージョンが先にレコード化されていて、ここでもゴスペル色のやや強いビリーの歌声がいい味わいだ。ダニー、クラプトン、ジェフ・リンが揃ってアコースティック・ギターを弾く様子も見映えがいい。他の見どころは、ジョージ愛用のサイケデリックなストラトキャスターでスライド・ギターを弾くアンディ・フェアウェザー・ロウと、珍しくも完璧に脇役に徹してピアノを弾くポール、である。

 

「フォー・ユー・ブルー」 ポール・マッカートニー

 

 69年1月の「ゲット・バック・セッション」では、ジョージの新曲が、むしろジョンよりもたくさん演奏された。その中でジョンとポールが最も関心を示したのが、それ以前の“ジョージ節”とは異なるカントリー・ブルース調のこの曲だった。

 このコンサートでは、リンゴの紹介でステージに登場したポールが、最も大きな歓声を浴びながら最初に演奏した曲である。アコースティック・ギターを弾きながら一声歌っただけで、安心感が強いのに、いきなり引き込まれてしまう空気を即座に生み出すのだから、やっぱりポールはすごい。マーク・マンのスライド・ギター・ソロやゲイリー・ブルッカーのピアノ・ソロも含め、まさに絢爛豪華。

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