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アルメイダ・ライブ

リチャード三世」​

2017.4.15 (土)より

吉祥寺オデヲンにて

​【Introduction】

 2012年に英国ランカスターでリチャード三世の骨が発見されるという英国史としても重要な大事件が起きた。この発見は、シェイクスピアが描いた歴代王の中でも悪名高く有名なリチャード三世への社会の関心をあらためてかきたて、シェイクスピア没後400年という記念年に合わせて「リチャード三世」の上演が決定、そして本作で初めてアルメイダ・ライブとして世界劇場公開が決定。

 アルメイダ劇場、初の劇場上映となる舞台「リチャード三世」は、シェイクスピアが描いたイギリス王の中で最も残虐であるリチャード三世をレイフ・ファインズが演じ、マーガレット王女にはヴァネッサ・レッドグレイヴを迎え、アルメイダ劇場芸術監督のルパート・グールドが演出を手がけた。

【Story】

 戦火で荒廃したイングランドは内紛が続いていた。エドワード王による統治は不安定で政治の混乱の火種が燻っていた。エドワード王の弟リチャードは虎視眈々と兄の王冠を自分の手中に収める機会を狙っていた。リチャードは戦を愛し、平和は疎むような人間だった。  邪悪なリチャードを通して、シェイクスピアは抗争に蝕まれた社会の中枢に位置する権力を渇望する強烈な欲を見事に描いている。ローレンス・オリヴィエ賞受賞演出家ルパート・グールド(「マクベス」、「チャールズ三世」)が、英国史を紡ぐ王冠をめぐる陰謀の伝説を鋭く描く。

 

​【From Director】

 本作は、舞台と観客席に渡り複数のカメラで撮影された。プロデューサーにはロイヤル・シェイクスピア・カンパニー・ライブのプロデュースも手掛けているジョン・ワイヴァー。「アルメイダ劇場で上演する舞台を世界中の観客に届けるため収録して映画館で上映する試みは、私たちにとって新しくそしてタイムリーな冒険だと思う。この機会をとても嬉しく思うよ。世界中の観客が「リチャード三世」をどう評価してくれるのか楽しみにしている」と芸術監督ルパート・グールドは語っている。

【キャスト・スタッフ】

キャスト

リチャード(グロスター公):レイフ・ファインズ   

マーガレット女王:ヴァネッサ・レッドグレイヴ

ジョージ(クラレンス公):スコット・ハンディ

        (「ROCK YOU![ロック・ユー!]」2001)

ロバート・ブラッケンベリー:トム・カントン   

ウィリアム・ヘイスティングス:ジェームス・ガーノン

レディー・アン:ジョアンナ・ヴァンダーハム

        (「メイジーの瞳」2012)   

イーリー司教:サイモン・コーツ

ケイツビー:ダニエル・セケイラ

エリザベス:アイスリン・マクガキン

リヴァーズ伯:ジョセフ・アークレイ

ドーセット侯:ジョシュア・ライリー

スタンリー卿:ジョセフ・マイデル

   (ローレンス・オリヴィエ賞最優秀助演俳優賞)

バッキンガム公:フィンバー・リンチ

ラットクリフ:マーク・ハドフィールド

   (ローレンス・オリヴィエ賞最優秀助演俳優賞)

エドワード四世:デヴィッド・アネン 

ヨーク公夫人:スーザン・エンジェル

ヨーク公リチャード:ベネディクト・バーカー

          オリヴァー・ホワイトハウス

エドワード5世:ルーカス・ロルフ

        バクスター・ウェストビー

ロンドン市長:マーク・ハドフィールド

ティレル:デヴィッド・アネン

リッチモンド伯:トム・カントン

ブラント:デヴィッド・アネン

 

スタッフ

演出:ルパート・グールド

   (アルメイダ劇場芸術監督、オリヴィエ賞受賞演出家)

デザイン:ヒルデガルト・ベヒトラー

衣装デザイン:ジョン・モレル

   (オリヴィエ賞最優秀衣装デザイン賞受賞デザイナー)

作曲・サウンド:アダム・コーク

   (トニー賞演劇音響デザイン賞、オリヴィエ賞最優秀音響デザイン賞受賞作曲家)

照明:ジョン・クラーク

【演出 ルパート・グールドについて】

アルメイダ劇場の芸術監督。「メディア」や「ベニスの商人」、「国王チャールズ三世」、ブロードウェイで2016年4月に上演された「アメリカン・サイコ」などを演出。2005年から2013年までイギリスのHeadlongの芸術監督を務め、 “The Effect”や「エンロン」、”Earthquakes in London”、”Decade”を演出した。その他の演出作ではウェストエンドで上演した”Made in Dagenham”、アルメイダ劇場で上演した” The Last Days of Judas Iscariot”、チチェスター・フェスティバル劇場とウェストエンド、ブロードウェイで上演した「マクベス」、ゲート・シアターで上演しダブリンやウェストエンドでも上演された「誰もいない国」などがある。ローレンス・オリヴィエ賞を2度受賞し、批評家協会賞、イブニング・スタンダード・シアター・アワード最優秀演出賞を受賞している。映画では英国アカデミー賞にノミネートされたドラマシリーズ「ホロウ・クラウン」の「リチャード二世」のエピソードや、BBCの「マクベス」、長編映画「トゥルー・ストーリー」(ジェームズ・フランコ、ジョナ・ヒル出演)を監督している。

【アルメイダ劇場について】

アルメイダ劇場は英国の若手アーティストが世界へ羽ばたくための場所として存在している。小さい劇場ながらも国際的な評価を得ている劇場だ。図書館、研究所、講義の場所からなる文学界、科学界の命を育む場所になっている。当初から世界を探求するための場所として誕生した。今日、アルメイダ劇場は演劇、劇場、そして我々を取り巻く世界について疑問を呈する画期的な場所となっている。
アルメイダは俳優の中でも最も面白い役者を集め、リスクを物ともせずに観客を驚かし、刺激し、論争を呼ぶ存在になっている。現在のあり方を問い、過去を見つめ掘り下げ、未来を創造する。新作であろうと、古典を再活性化する企画だろうと、場所が劇場であろうと道端であろうと、オンラインであろうと、アルメイダは活力溢れるエンターテインメントを創り上げている。劇場の持つ潜在的な力で論争を呼び、崩壊した社会を補強する一助となっている。1980年にピエール・アウディにより創設され、彼の後継者ジョナサン・ケントとイアン・マクダーミドが1990年に引き継ぎ、2002年にはマイケル・アッテンボローが引き継いだ。2005年のレイフ・ファインズによる「ハムレット」、ルーファス・ノリスの”Festen”、リン・ノテージの”Ruined”、最近では”Chimerica”や”Ghosts”、「国王チャールズ三世」などが世界的に賞賛された。2013年、ルパート・グールドが芸術監督に就任してからの最初の作品は「アメリカン・サイコ」で、ブロードウェイでも2016年に上演された。2014年にアルメイダで上演された”Ghosts”と”Chimerica”は最優秀主演女優賞、最優秀助演男優賞、最優秀ニュー・プレイ賞、最優秀演出賞、最優秀リバイバル作品など8つのオリヴィエ賞を受賞し、ウェストエンドやブロードウェイでも上演された。その後上演された「国王チャールズ3世」はウェストエンドのウィンダムズ・シアターでも上演され、2015年にオリヴィエ賞ベスト・ニュー・プレイ賞を受賞した。そしてブロードウェイでも上演され、イギリス、シドニーへとツアーも開催された。その他の特筆すべき作品は、「ベニスの商人」や「メディア」などがある。小さいながらも世界から注目される劇場である。

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